フラックス洗浄
リフロー炉の部品に固着したフラックスを、浸漬10分で落とす(タイ・SMT工場の事例)
リフロー炉は、基板を加熱してはんだを溶かす設備です。はんだペーストに含まれるフラックスは、加熱で揮発して炉の中で冷え、レール、フィンガー、プレート、排気まわりの部品に固着します。放っておくと、茶色く固まったフラックスが基板に落ちたり、搬送がひっかかったりして、不良と停止の原因になります。
今回は、タイの日系自動車部品メーカーの実装ラインから「リフロー炉の清掃を自社でやる範囲を増やしたい。洗浄剤の価格と洗浄力を見直したい」と相談を受けた事例です。
相談いただいたときの状況
- 対象:リフロー炉から外せる部品(搬送レール、フィンガー、プレートなど)
- 汚れ:フラックスの固着に、搬送部のグリースが混ざった茶色〜黒の汚れ
- 背景:これまでメーカーに依頼していた清掃の一部を自社で行う計画。清掃の頻度と薬剤の購入量が増える見込み
フラックスの汚れは、溶剤で拭いても固まった部分が残りやすく、スクレーパーでこすると部品に傷が付きます。「浸けて落とす」方法が向いています。
テストしたこと
フラックス洗浄剤 PCS-1015U で、実際の部品を洗いました。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 薬剤 | PCS-1015U を水で薄めて約33%(薬剤1:水2) |
| 方法 | 槽に浸漬 |
| 温度 | 約60℃(ヒーターで加温) |
| 時間 | 10分 |
| 後処理 | 軽く拭き取り |
洗浄前
洗浄後
No.1




No.2




No.3


10分の浸漬で、フラックスとグリースの汚れが浮き、軽く拭くだけで落ちました。洗浄前は茶色く固着していたレールとプレートが、洗浄後は金属の地が見える状態になりました。
液の交換の目安は、「洗浄に40分以上かかるようになったら」です。汚れを取り込んで液が疲れると、同じ部品でも時間が延びます。時間を測っておくと、交換のタイミングが分かります。
※ PCS-1015U の槽洗浄の標準条件は、薬剤1:水3(約25%)、45〜50℃、15〜30分です。今回は汚れが固着していたため、濃度と温度を上げて時間を短くしました。汚れの程度に合わせて調整します。
自社で清掃する場合のポイント
- 外せる部品は槽で、外せない部分はスプレーで
PCS-1015U は槽洗浄とスプレー洗浄の両方に使えます。炉の中の外せない部分は、約33%に薄めてスプレーし、8〜10分置いてから拭き取ります。
- 加温できる槽を用意する
常温でも落ちますが、時間がかかります。45〜60℃に温めると、短時間で落ちます。
- 洗浄時間を記録する
同じ部品で時間が延びてきたら、液の交換時期です。交換の目安が決まると、薬剤の購入量も計画しやすくなります。
この事例から言えること
- 固着したフラックスは、こすらずに「温めた液に浸ける」ほうが、部品を傷めずに落とせます
- 自社清掃に切り替えるときは、薬剤の濃度・温度・時間を最初にテストで決めておくと、作業が安定します
- 液の交換時期は、洗浄にかかる時間で判断できます
よくある質問
Q. キャリアパレットや治具にも使えますか?
使えます。PCS-1015U は、リフロー部品のほか、キャリアパレットのフラックス洗浄にも使っています。
Q. 炉の中の外せない部分はどうしますか?
スプレー洗浄で対応します。薬剤を約33%に薄めてスプレーし、8〜10分待って拭き取ります。残渣は残りません。
Q. 自社の部品で試せますか?
部品を1〜2個お預かりして、無料でテスト洗浄をします。汚れの種類に合わせて、濃度・温度・時間の目安をお伝えします。
リフロー炉の清掃に時間がかかる、薬剤の費用が気になる、という場合はご相談ください。部品をお預かりして、無料テスト洗浄で結果をお見せします。
